日の出 『 初光吸飲行 』 坂村真民 それはひとり川原にひれ伏して 泣きだしたいような 美しい日の出であった うすい雲があるため またたきもせず じっと見つめることができ まむかっていると それは盆提灯のように 空にかかって せつなくなってくる 美しさだった わたしのために出現して下さったのだと 何度も自分に言いきかせ その尊い光を 胸一ぱい 腹一ぱい 吸い込んだ