プロレスはお好きですか?

プロレス

最近、友人のお坊さんに薦められて読んだ本です。

それまでプロレスのプの字も知らない位、全くプロレスのことも知りませんでしたし、読んだ今もプロレスの試合を一度も見たことはありません。

しかしながら、おもしろい!!

へ~、こんなことあったんだぁ!?とあっという間に一気読みしてしまいました。

どんな内容かというと。

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1972年にアントニオ猪木が旗揚げして以来、プロレス界を牽引してきた新日本プロレスも2000年代になると次第に人気が衰えていき、格闘技ブームに押されて「古臭いもの」となった。

1976年に生まれ、プロレス好きだった父親からアントニオ猪木の本名・猪木寛至の一字をつけられた棚橋弘至氏は、幼い頃からプロレスラーに憧れ、1999年に新日本プロレスに入門し、2006年に第45代IWGPヘビー級王者になるも、その頃には人気選手たちも大量に退団し客席はガラガラだった。

棚橋弘至選手はお客さんを呼べるスター選手になって新日本プロレスを変えたい、と奮闘した。

棚橋選手はプロレスの本場・メキシコに行ってみて生のルチャリブレ(メキシカンプロレス)を体感して、「プロレスはファンを選んではいけない」ということを学んだ。

ルチャはお年寄りから子供まで楽しめて、試合のヤマ場になると会場が一体となって盛り上がる。

プロレスは大衆娯楽なのである。

ところが、いざ日本のプロレス界に戻ってみると、「ウチはストロングスタイルだ!」と、血まみれに殴り合ったり、顔面を蹴り上げたり、リング外でもゴタゴタと揉めて、その影響でタイトルマッチがスッキリしない終わり方をする。

そんなプロレスを見た人が「また来よう」と思うか?

子供や女性を連れてきたいと思うだろうか?

そこで、棚橋選手はストロングスタイルを捨て、新日本プロレスの道場の正面に飾ってあった創始者のアントニオ猪木の特大パネルを外した。

棚橋弘至選手はウエイトトレーニングを重視したが、これが当初はOB達やコアなファン達からは全く受け入れられなかった。

プロレス界には「ボディビルで作った筋肉は駄目だ」「レスラーは相手の攻撃を受けるために身体に脂肪がなければいけない」等という「ウエイトトレーニング否定論」が根強くあったからだ。

しかし、そんなのはお酒を飲みたい人の言い訳で、結果プロレスは、お腹のまわりにたっぷり肉がついた「おじさんばかり」がリングに上がっているようなイメージになってしまった。

一方で、その頃は魔裟斗選手などをはじめK-1選手達が引き締まった筋肉と割れた腹筋で女性ファンを魅了し、いっそうプロレスを古臭いイメージに追いやった。

棚橋選手を「ボディービルダーみたいな体」と嘲笑的に言うOBやコアなファンも多かったが、フィジカルトレーニングの知識をプロレス向けに作り上げて筋肉を実践向けに鍛え上げていた。

ウエイトトレーニング「だけ」をやるのではなく、独自の練習を加えて、筋持久力と瞬発力を兼ね備えた「使える筋肉」を作っているのである。

棚橋弘至選手はOBや古くからのファンの間で、「ストロングスタイルを捨てるとは何事だ」「棚橋はストロングスタイルじゃない」と烈しい批判が巻き起こり、棚橋選手は王者でヒール(悪役)ではないベビーフェイス(善玉)なのに出場するたびにアウェーのようにブーイングが起きた。

棚橋選手は「じゃあ、ストロングスタイルって何ですか?」と聞き返すが、明確に答えられる人はいなかった。

棚橋選手が新たなレスラー像を打ち出すことで、TVやラジオの出演、雑誌の取材も増えていき、新日本プロレスには次々に新しいプロレスファンが集まるようになり、やがてチケットが取れないほどの大人気団体へと復活していった。

新日本プロレスが復活した頃に、棚橋弘至選手は雑誌の対談でアントニオ猪木氏に会うことになり、直接「ストロングスタイルって何ですか?」と聞いてみた。

アントニオ猪木氏はその問いに対して「あれはまわりが勝手に言い出したんだよ」と答え、「オマエら、オレが作ったパイをいつまで取り合っているんだ!」とも言った。

そこで、棚橋選手は「僕が新しいパイを持ってきます!」と宣言し、「お、いいね」と猪木氏に喜ばれた。

確かにアントニオ猪木は「ストロングスタイル」というイメージを作り上げて新日本プロレスは人気を博したが、そのストロングスタイルの神通力が消えてしまっても、まだそこにしがみついている人達が多かったのだ。

猪木氏の下の世代の人達は、猪木氏の作ったパイ(ファン)を取り合っていただけで、新しいパイを生み出す作業をしていなかった。

だからこそ、棚橋選手をはじめ今の新日レスラーは新しいファンを獲得するために死に物狂いで頑張り、先輩達がしてこなかったことをしている。

その結果、会場では子供や女性達の姿が目立つようになり、興奮できて熱狂できて、「また来ようね!」と満足して家路についてもらえる新しい時代のプロレスを作り上げることができた。

そのキーワードが「脱ストロングスタイル」である、と棚橋弘至選手は述べている。

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これが、大体のさわりです。

面白かったと同時に、非常に考えさせられました。

2000年代当時のプロレス界だけではなく、さまざまな業界で同じようなことが起きているんじゃないでしょうか。

その流れを敏感に察知し危機感を持って一早く行動する人がいて、そうした人達が死に物狂いで頑張って、尚且つ、なんとか良い方向へ舵取りが成功した場合だけ上手くいくんでしょうね。良い方向に転ぶかどうかは、本当にわからないと思います。

この本は、非常に大切なことを教えてくれています。

オススメです。

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