大乗寺禅庭

大乗寺禅庭

『玉鳳出大乗寺禅庭』 坂村真民

人間が人間を離れ

樹や花に救われる心

そのかなしい心をいだいて

静かな落葉の庭に向かう

何という楓の美しさ

何という銀杏の美しさ

一木一草

行く季節の衣を染めて

無為自然の恵みに

法悦を感じ合っているようだ

小さな池に波紋がたつ

椎の木が日のかげりにつれて

花のように光る

白い経蔵を取り入れて

石と樹と

水と草と

一分の隙もなく合体している美しさ

女の匂いのない枯れきった縁に

わたしの心はしみじみと潤されていった

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