ホッと一息つける場所

datuibabaa

本堂入り口に鎮座する脱衣婆(葬頭河婆さん)です。

旧本堂時にはあまり目立たない場所にいましたが、新本堂になってからは本堂入り口の一番目立つ場所で鎮座されています。

頭上の光で顔の部分が陰になって表情が見えにくくなっていますが、迫力ある表情で初めてご覧になる方はぎょっとされるのではないでしょうか。

こわ~い顔の婆さんですが、脱衣婆さんはどういう婆さんなんでしょう。

以前、正光寺の坐禅会で「小僧さんの地獄めぐり」という絵本を読みましたが、そこにもこの脱衣婆さんは登場します。「小僧さんの地獄めぐり」は、絵が上手な小僧さんが急病で亡くなりますが、お葬式の最中に生き返ります。驚く和尚さんが尋ねると、地獄を巡ってきた小僧さんが恐ろしくむごたらしい地獄のありさまと責め苦の数々を語り始めた・・・というお話です。

その絵本によると、人は死ぬとまず死出の山を越えます。そして、次に三途の川を渡るのですが、三途の川を渡る際に、楽々と渡っている人もいれば、溺れそうにして渡っている人もいます。罪の深さによって渡り方が違うというのです。そして、川を渡りきったところで待ち構えているのが、脱衣婆さんです。脱衣婆さんは、全ての人の着物を剥ぎ取り、その着物を木にかけて、木の枝のたわみでその人間の罪の深さを量るというのです。

そんなこわ~い婆さんが本堂入り口で待ち構えています。絵本では「着物」は罪や欲望の象徴でした。しかし、もともと何も持たずに生まれてきた私達も成長し社会生活を営む上でいろんなもので自分自身を着飾ります。地位や名誉、金銭、世間体や学歴等々もこの「着物」に当てはまるのではないでしょうか。

「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くがごとし」と仰った偉人がいましたが、お寺の本堂に入る時は余計な物を放下してお参りいただければと思います。

お寺は、「ホッと一息つける」・・・そんな場所だと思います。

岑月 合掌

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